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2023年近鉄エクスプレス年賀式 社長年頭挨拶
皆さん、明けましておめでとうございます。
コロナ禍が始まり丸3年経過しました。感染者数など統計データに見られるとおり、未だ決して収束していない状況下ではありますが、世界はウイズコロナの体制にシフトしつつあり、皆さんの年末年始も過去3年と比較して、多少気持ちを緩めた過ごし方ができたのではないかと思います。一方で、引き続き制約のある状況にある方々のご苦労と努力に対し、感謝を申し上げます。
昨年を振り返りますと、コロナ禍は収束に向かいながら、世界の経済、人々の営み、そして生産活動の積極的な再開が予測される中で、ロシア・ウクライナ問題、中国のゼロコロナ政策、半導体等の部品供給不足、エネルギー・原材料等の価格高騰、さらには米国の対中経済制裁等による複合要因が、世界規模で経済活動にブレーキをかけました。我々を取り巻く事業環境は、想定を上回る速さで、コロナ禍における混沌とした状況からの揺り戻しが起こりつつあります。
過去3年間は異常な状態であり、かつて経験したことのない状況の中で、KWEグループ全社員の皆さんの頑張りにより、当社として記録的な好業績を残すことができました。しかし、今また、急速な変化が起こり始め、コロナ禍からの揺り戻しに加え、異なる要因による歪な環境に移行しつつあるように感じます。地政学的、政治的な要因も相まみえて、今後の成り行きや将来を推測する事は非常に難しく、本年は大きな変化に直面する事態になる事も想定されます。
世の中が大きく一つの方向へ傾く時、それに備えるために組織として反対に大きく舵を切ると、その反動でかえって不安定な状態に陥る場合も有ります。当社グループは本質的に静安定性(※)を備えており、大きなうねりの中で意図して大きな舵を切らずとも、皆さん各自の働きにより安定する性質を従来備えていると、私は思っています。ただ、大きな変化に直面した時、または遭遇すると予知した場合、皆さんの働きによる静安定性を信じつつ、迅速、かつ適切に、能動的に舵を切るように指示させて頂く事もあると思います。新たな局面を迎えると思われますが、決して悲観的になるのではなく、私自身も含めてグループ全体で改めて、緊張感を持って対峙していきたいと思いますので、適宜、対応頂きますよう宜しくお願い致します。
昨年の近鉄グループホールディングスによるTOBにより、当社は近鉄グループホールディングスの100%子会社になりました。しかしながら、当社自身の方針に何ら変わりはありません。今後も当社が世界の市場で存続し、成長をしていくためには、まずは自力で、目標に掲げた取扱物量に向けて事業を拡大し、収支数値目標を達成していくことが必須条件です。
この物量拡大とともに不可欠となるのが、経営計画2027に掲げているとおり、グループ全体の体制の強化であり、前中期経営計画で取り組んできたミドルガバナンス体制を完成させ、APLLを含む各関係会社、各本部、そして各海外現地法人が「One KWE」として一体感を強め、かつグループとして機能していくことであると考えます。
当社グループの持つ強みを活かしながらさらなる高みを目指すには、「One KWE」としてグループ全体の機能強化を図るため、組織のバックボーンとなる統一のプラットフォームの確立が必要であり、現状を改善するための大規模な「改革」が待った無しの状況で迫ってきていると感じます。
これは改革に留まらず、「変革」にまで及ぶ部分があり、時間と工数、そして一部では痛みを伴うかもしれませんが、当社グループ組織の機能強化の対応については着実に行っていきます。
皆様のご理解とご協力の程、宜しくお願い致します。
最後になりますが、2023年がKWEそして全グループ会社が次の次元への発展につながる年になる事を祈念し、また、世界で活躍する全KWEグループの社員とそのご家族のご健勝とご多幸を祈念致しまして、私の新年の挨拶とさせて頂きます。
代表取締役 社長執行役員
鳥居 伸年